例外としては、熟慮期間経過後に、被相続人の相続財産が、債務超過であることが、相続人において過失なくして、判明した場合には、その債務超過が明らかになった時から、起算することになります。(最高裁判例)
遺産分割をする上での注意点
協議による遺産分割は、相続人となる者全員の合意が必要です。この合意が得られない場合は、家庭裁判所の審判を求める事になります。
家庭裁判所の審判は、まず、調停を行い、そこで決着しない場合に行われます。
また、その調停も、当事者間の協議が整わなかったときや、当事者となる者の所在が不明であるとか、最初から当事者間で協議が整わない事が明白である場合に、起こした方が後々のことを考えれば良いでしょう。
相続人のうち、子供が胎児であるとか、未成年者である場合には、家庭裁判所に特別代理人を選任して貰わなければなりません。
親権者と子の利益相反行為:民法第826条)
寄与分(民法第904条の2)について
・相続人中に被相続人の財産の形成・維持につき特別の寄与をした者があるときは、遺産分割に際してその点を考慮しないと他の相続人との関係で不公平であることから、認められた制度です。
・協議による遺産分割又は家庭裁判所の審判(調停)のどちらで、決めてもかまいません。
・考慮の対象となる「寄与」とは、被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加につき相続人によってなされた特別の寄与です。
特別受益の持戻(民法第903条・第904条)について
・相続人中に被相続人から特別の財産的利益を受けた者があるときは、遺産分割に際し、その点を考慮して決めないと他の相続人との間に不公平が生 じるため、その不公平を計算上生じさせないようにする制度です。
・相続人の受けた遺贈や相続人が生前に被相続人から受けた、ある程度高額の財産的利益であって、特定の相続人に与えられたものです。
具体的事例としては結婚時の持参金、居住用建物の購入資金・開業資金等があります。
分割の方法
「現物分割」「個別分割」「換価分割」「代償分割」などの方法があります。どの方法で分割するかは、協議による分割、家庭裁判所の審判での分割のどちらの場合でも、「遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮して」定めることが必要です。
遺産分割の効力
遺産分割によって、共同相続財産は相続人各人の固有財産に転化します。この効果は民法上、相続開始時にさかのぼる(民法第909条)とされていますが、分割の結果、初めて相続人の固有財産になるというほうがわかりやすいでしょう。
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